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残業なし、有給100%消化、育休3回、欲張りに稼いで家庭時間命 外資系アラフォーママの軌跡

ワンオペを改善する方法その② 夫の長時間労働を是正するために労働基準局と人事に相談をした

①の続き。以下が私が行った事であったが、詳しく記載していく。 

1.会社の社内規定(特に労働時間、残業、休暇に関して)、雇用契約書の確認

2.上記社内規定と照合して夫の働き方に違法性がないか確認

3.労働基準局に相談 ーー>労働基準局から夫の会社に監査がはいる

4.人事に妻の立場から相談、意見

5.過去に遡って、サービス残業代を支払いしてもらった

6.夫の会社の人事、役員、管理職を巻き込み、職場の働き方改善

7.18時以降の会議招集がなくなり、夫の帰宅時間が早くなった

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1.会社の社内規定(特に労働時間、残業、休暇に関して)、雇用契約書の確認

2.上記社内規定と照合して夫の働き方に違法性がないか確認

夫は当時裁量労働制の会社で働いており、勤務時間は一応9-18時と定時が決まっているものの、営業職であったため、外勤時間もあり、時間管理をきっちりする職種ではありませんでした。残業込の裁量労働という事での年俸でしたが、少なくとも22時を超えての仕事に関しては深夜残業代を支払わなければならない事がわかりました。でも誰もそんな深夜残業代は申請していないというのです。しかも私の会社ではありえませんでしたが、21時から会議室でビールを飲みながら会議など、だらだらやっていた事も多くありました。誰も子持ちワーキングマザーなど正社員では居ないようでした。ほぼ毎朝8時半~深夜勤務なんてザラな毎日。おそらくこれは労働法違反なんじゃないか、と考えました。

 

3.労働基準局に相談 ーー>労働基準局から夫の会社に監査がはいる

次に、上記を元に、夫の会社の働き方の違法性について、所轄の労働基準局に相談をしにいきました。これは自分の住んでいる労働局ではなく、事業所のある労働基準局に相談するのが基本との事。当時の夫の勤める●●市の労働基準局に最初は電話をしてみました。10年以上前の事でしたが、その時にアドバイスをされたのは、まずは夫の帰宅時間、出社時間を今後全て記録するようにとの事でした。その記録が1か月以上溜まったら来てくださいと言われたので、その通りにしました。(実際にはその後ずっと、半年近く記録を続けました。)

 

1か月後、夫の実際の可視化された労働時間の記録(私のメモ)と、給与明細、会社の社内規定、雇用契約書等と共に、相談員の方に面会に伺いました。

そこで夫の会社が大手一部上場企業であるにも関わらず労働法違反の可能性が高い事を指摘されました。また過去にも今回の私と同様な相談が従業員の家族からあり、会社に監査が入った事もあると言われました。

 

監督署は以下の提案を下さいました。

①匿名で監査に入る(誰が申告したかは内緒にしたまま、一般的に労働時間を守っているか、社内規定で違法がないかなどの覆面調査をする事

②実名で、具体的なケースについて注意勧告をする(今回であれば夫の深夜残業がたびたび行われているにも関わらず残業代が支払われていない、従業員の健康管理がきちんとされていない等)

 

私は夫の会社での立場が悪くなっては困るので①でお願いをする事にしました。ちなみに①の匿名で依頼をする場合は、基本的には監査に入るかどうかは労基署で決定する事であり必ず監査に入る事は約束できないとの事でした。また監査に入ったとしてもその後の詳細を私に伝える事は出来ないとの事でした。(私個人の依頼で動くというより、労基署として必要があると判断した時に組織として行う監査業務だったからかと思います。)②の具体的なケースについて実名でする場合は(労災などもこちらに近いかも)もちろん個別に状況を都度報告してくれるようでした。

 

とは言え相談の方は、親切に親身に相談に乗って下さり、原則は①の場合はその後どうなるかは教えられないと言っていたものの、実際に監査に入れば、会社でわかると思う。こちらから連絡は出来ないけど、奥さんまた電話くれたらわかる範囲でお話は出来ますよ、といったような事を教えてくださいました。

 

と言うわけで私はその後、夫の勤怠記録を記帳しながらも、今か今か労基署は入ってくれないだろうかと待っていました。そして労基署はちゃんと夫の会社に監査に入ってくれたのです!(笑)会社ではちょっとした騒ぎになったようです。

 

4.人事に妻の立場から相談、意見 

夫の会社は一部上場大手企業で、所属する事業部は特に人材コンサルを行い、人材活用の提案を行っている部署でした。女性の総合職フルタイム社員の方もバリバリ長時間働いている人が多く、結婚、産後も同じペースで働いている人は居ない様でした。出産と同時に辞めてしまうか、パート社員になる人がほとんどで、これまで通り働きたいと思って会社で働けているような方は居なかったようです。

 

私は夫の会社本社の人事部に電話をして以下のように相談をしてみました。

  • 夫の事業部では連日帰宅が深夜で夫の健康が心配である
  • 現在妻である私は妊娠中でフルタイムで働いている
  • 夫の会社でも多くの女性が働いており女性活用を推進していると聞いている
  • 私自身、今後、妊娠、出産を経ても、夫婦で協力しながら、共に家族を切り盛りしながら仕事を続けたいと考えている
  • しかしながら今後も夫の現在のような働き方が続くようであれば、上記が実現できるとは思えない
  • 御社のような人材サービスでのリーディングカンパニーにおいての貴重な優秀な女性社員が辞めずに働き続けるためには、パートナーである夫の働き方が変わらないと難しいと思う
  • 今回、個人的な事情を相談して申し訳ないが、まずは夫の深夜残業時間が長く、社内規定の労働時間をとうにオーバーしているようだ
  • 深夜残業代も全く支払われている事がなく、タイムカードはわざと記録しないようにしていると聞いているが、これは問題ではないのか?

上記のような相談に対して、人事からは以下のような反応でした。

  • 私に対して、今回のような現場での実情を報告してくれたことに感謝するとの事
  • 会社としてはまさに私の言う通りで、今後の女性活用や社員の健康管理も踏まえ、現場での退社時間を守るように管理職に指示をしている。だが現場までそのようなメッセージが行き届いていなかった事に対して、社員の家族に心配をかける事になり大変申し訳ないとのお詫び 、今後改善していく事を約束するとの事 

5.過去に遡って、サービス残業代を支払いしてもらった 

このまんま。夫が働いてからこれまでの深夜残業代を全て再請求、支払ってもらった


6.夫の会社の人事、役員、管理職を巻き込み、職場の働き方改善

人事の方は、私の最初の相談電話以降、夫の社内での働き方改革の進捗状況について逐次お電話を下さり、レポートしてくれるようになった。(笑)女性担当者でした。

会社役員、管理職、夫の上司から夫に謝罪があったそうである。そして今回ラディカルな行動に出た妻である私の事を責めないでほしいと。奥さんは結果的に会社にも良い事をしてくれたんだと。(普通の夫なら、こんなことをする妻の事、嫌ですよね?汗)


7.18時以降の会議招集がなくなり、夫の帰宅時間が早くなっった

本当に深夜会議がなくなった。笑

役員クラス、管理職が率先して早帰りするように、また有給休暇を取得するようになった。夫その他同僚も帰宅時間が早くなった。

 

1年近くかけて粘り強く交渉してきた上記の事柄は、あなたには面倒な作業に感じるかもしれない。しかし私にとっては「長時間労働をする会社のせいで早く帰れない」という夫を諦めて、1人で子育てを担うワンオペ育児に陥る事を少しでも減らすために、やれる事をやってみて良かったと思っている。何よりも、この後、睡眠時間を多く取り健康的な生活を取り戻した夫の顔色は良くなり、夫婦仲も良くなったのだから。