世界1位営業女子が教える幸せな共働き 

残業なし、有給100%消化、育休3回、欲張りに稼いで家庭時間命 外資系アラフォーママの軌跡

私、ヘッドハンター、キャサリンでした

私は24歳の時にヘッドハンティングの会社で、ヘッドハンターとして働いていた時期があります。また、私自身、その後も今現在までずっと外資で働いてきているので、多くのヘッドハンターと付き合いがありますし、実際に現在の職場も、ヘッドハンティングで転職をしました。 

ヘッドハンターとは、企業スカウトマンみたいな感じです。

以下、エン・ジャパン株式会社のHPより

 ヘッドハンティングとは、人材紹介会社が行なう「サーチ型」の人材紹介サービスです。これは、人材紹介会社のヘッドハンターが、企業が求める人材を世の中から探し出し、スカウトしていく手法。プロ野球選手や芸能人のスカウトのビジネスパーソン版、と言うとイメージが沸くかもしれません。従来は、社外から経営幹部や役員を採用したいと考える企業や、日本市場に必要な人材を採用する外資系企業が頻繁にヘッドハンティングを活用していました。しかし、近年では30代・40代の経営幹部候補や、特化した技術を持つエンジニア、さらには20代の次世代リーダー層の採用まで、ヘッドハンティングの裾野が大きく広がっている状況です。

私が勤めていたのは、アメリカ人社長が経営する、とある人材会社。社内公用語は英語。外国人が8割、残り2割の日本人スタッフは全員バイリンガルでした。 

ヘッドハンターとして、企業の求める職種にマッチした求職者を探してくるのが私の仕事。それに対し、コンサルタントは企業に赴き、「こんな人材が欲しい、探してくれ」という求人を貰ってきます。ヘッドハンターの連れてくる求職者が、その求人にうまくマッチングをして入社したら、企業に年収の30-35%(経営幹部など、難しいハイキャリアのマッチングの場合等は40%~)のフィーが入る仕組みでした。

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具体的な業務の流れは、以下でした。

  • A社の求人に対し、ターゲット企業(例えば競合会社B社)にコンタクト。手法は郵送ダイレクトメールの後に、電話でフォロー。候補者の名前すらわからない場合は、電話をかけて、メールアドレスや連絡先を教えてもらうところから。
  • 見つけ出した候補者の方に、社内コンサルタントと面談をしてもらうところまで持っていく。条件を満たしていて応募の意思があれば、企業面談を設定
  • 内定、条件交渉、入社 

 

スマホSNSもない当時、簡単に誰かを見つけ出し、そしてメールで連絡をする事は、簡単ではありませんでした。ヘッドハンターがそもそもどうやって、候補者を見つけ出していたのか?それは、 以下の方法です。

①企業の名簿:当時は、名簿屋さんなる怪しいお店が都内にあり、紙データ(コピー)を購入しに行きました。企業の組織図や、連絡先などのコピーが販売されていました。退職者が売ったのか、今だったら完全にアウトですね。当時は素性のわからないデータが密かに出回っていました。 

②ビジネス雑誌や書籍:著名な方だったら普通にビジネス雑誌や書籍で見つかります。まずはダイレクトメールを送り、その後電話やメールでフォロー。

アメリカンクラブ、商工会議所など、会員制クラブやビジネス交流会に参加して名刺交換

 

上記のような事を、こつこつやり、連絡を取っていました。最初から候補者の名前がわかっているときは良いですが、そうでない事も多く、そうなると企業に営業電話をかけなければなりませんでした。私はヘッドハンターとして出来るだけ多くの候補者を、どのような方法でもいいので、面談に引っ張ってくる必要がありました。

 

そんな時には、私、ヘッドハンター・キャサリンの出番でした。日本人の候補者に、あえて流暢な英語で、営業電話をかけまくっていました。例えばこんな感じに。

 

’Hello! I am Catherine from ○○○ Recruiting service, I would like you to have an informal meeting with our consultant here on your available time. 

(こんにちは、私は○○○人材会社のキャサリンです。一度あなたの都合がいい時に、弊社コンサルタントと是非会って欲しいんです!)

 

大企業にいきなり電話して、私はあなたの会社の社員を引き抜きたいから電話繋いでくれ、なんて、電話繋いでくれるわけないですよね?(笑)もちろんそんな事は言わずに、もっともらしい電話をかけて、何とか対象者に電話を繋いでもらう必要があるわけです。 

 

日本語で営業電話をかけると、「いったい何の用件でしょうか?どちらの会社からですか?お取引はありますか?」など、チェックが細かくなり、繋いでもらえる確率が減りました。(代表番号はガードが堅いので、わざと1ケタずらして適当な部署に電話をかけ、間違えたふりをして繋いでもらう事もありました。) 仮になんとか受付を突破して該当者と話すことが出来ても日本語だと何かと大変です。

 

「え?(ヘッドハント?:心の声。社内だからひそひそ声)いったい俺の名前どこで見つけたんだよ?(怒りモード)。」

こんな感じで気分を害されては、最初のスモールトークにすら進められません。面談に来てもらうどころじゃありません。

 

しかし英語でかけると、(先方が英語が上手い受付、アシスタントだったとしても)一瞬先方は怯んでガードが緩むのです!私は(架空の)キャサリンになりきります。電話を受けた候補者の方も、ヘッドハンター=外人のイメージのほうが強いので、すんなり受け入れいてくれやすい。電話を受けた方も、選ばれた感を感じやすく、個人情報を教えてくれやすくなり、次に繋がりやすいです。何よりも、外人女性相手に「おい、姉ちゃん、どっから俺の個人情報持ってきたんだよ?(怒)」のように、いきなり怒ったりは、しないんです。

こんな感じになります。

「ハロー?オーヤー(Oh yah.)(喜)?(心の声:俺、何、ヘッドハントされてんの?マジ?まいったなぁ。(まんざらでもない))。オッケー(OK.)。アイ ウイル テル ユー レーター(I will tell you later.) 」

すんなりメールアドレスや電話番号などを、教えてくれやすくなります。

 

私はお客様に不快感を露わにされたり、怒られたりすると、びびって傷つくタイプでしたので、このキャサリン方式(時にダイアナ方式)で業務を行っていました。

ちなみに、電話をかけても英語があまり流暢でない方相手には、あえてアジアなまりの片言英語にしてみたり、片言の日本語も混ぜて、意思疎通をしていました。

 

なお、実際に面談に来られた際に、キャサリンどこ?って言われる事もあったので、学生インターンという事にして、そこからは日本人スタッフ、私に繋ぐという体にしていました。「キャサリンが前回お電話でお話しさせて頂いたと思いますが、改めて○○Recruiting Serviceの、xxです。」と。

 

あなたの会社にかかってくる外国人からの営業電話、もしかしたら本当は日本人からかもしれませんよ!

 

※この情報は2000年代のお話しですので、今現在の業界の話に何ら関係はありません。